よくある症状 ③胸痛について
2023.02.02 ☆よくある症状☆呼吸器内科☆病気の解説
胸痛 にも
「胸が押されているような感じ」、「呼吸すると痛い」、「胸やけがする」、「押すと痛い」
など、種類が様々みられます。
胸痛がみられやすい心血管疾患、肺疾患の他、
食道、腹部疾患、皮膚・筋骨格疾患、悪性腫瘍も原因となります。
診断の手順としては、まずは Killer Chest Painの除外 が重要です
Killer Chest Painの原因には
急性冠症候群(心筋梗塞など)、肺血栓塞栓症、大動脈解離、緊張性気胸、食道破裂
があり、緊急の処置を行わないと生命にかかわります
これらの胸痛の特徴は
「耐え難い」「身の置き所がない」「これまで体験したことのない」
などと表現される激烈な痛みです。
ただし心筋梗塞は
胸部の「圧迫感:押される感じ」「絞扼感:つかまれるような感じ」と表現されることが多く
「激痛」はすくなく、また高齢者や糖尿病の方では痛みがないこともあり注意が必要です
Killer Chest Painではない場合は、胸痛の原因が
外因(主に外傷)によるものか
それ以外(内因、感染によるもの)か
を分けて考えます。
外因の場合は外傷の既往や、圧迫により胸痛が増強することが目安となります。
外因によらない内因性疾患、感染性疾患による場合は、以下の情報をもとに鑑別します
痛みの特徴はあるか
痛みの部位、持続時間、発症時間、痛みの性質、程度、放散(体を突き抜ける感じ)の有無
増悪・軽快の有無、これまで同様の痛みの有無
既往やかかっているの病気はあるか
心血管疾患(虚血性心疾患、弁膜症、心筋症)、高血圧症など
肺疾患 慢性閉塞性肺疾患など
代謝・内分泌疾患 脂質異常、糖尿病など
胸痛の他の症状があるか
呼吸困難、咳嗽、喀痰、喀血、悪心・嘔吐、胸やけ、動悸、冷や汗、失神
これらの情報をもとに疑わしい病気を推定し、必要な検査を行い診断をします
検査には血液検査、心電図検査、レントゲン検査、CT検査、上部内視鏡検査などが必要です
まとめ
胸痛の原因は多岐にわたります
その中でも緊急の処置が必要なKiller Chest Painの見極めが重要です
他の症状や経過をもとに検査を行い、原因を調べ治療を行います
参考文献
臨床医マニュアル第5版 7-13 胸痛 臨床医マニュアル編集委員会 (編集) 医歯薬出版