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新型コロナウイルス感染症 診療の手引き(第9.0版)について

2023.02.16

                                                          厚生労働省より、医療機関向けに新型コロナウイルス感染症 診療の手引きが発行されています

2020年3月の第1版が発行され、今回で第9版となりました。

主な内容や改訂点を抜粋します

                                                         

1 病原体・疫学

病原体

 ・2022 年12 月の時点で世界で検出されるウイルスのほぼすべてがオミクロン

 ・オミクロンの中ではBA.5 系統が主流

 ・BQ.1 系統,XBB 系統、BM.1.1.1 系統などの亜系統が複数報告

                                                         

国内発生状況

 ・2023 年2 月の時点で新規感染者数は全国的に減少傾向

 ・高齢者の減少は小さく高齢者施設と医療機関の集団感染も多い

                                                         

海外発生状況

 ・世界的な検査数の減少のため,感染者数は過小評価

  感染者数 多くの地域で減少または不変、東地中海地域は増加

  死亡者数 西太平洋, アメリカ, 東地中海地域で増加

                                                         


2 臨床像

 ・オミクロンでは鼻汁・鼻閉,咽頭痛などの感冒様症状の頻度が増加、嗅覚・味覚障害の頻度が減少

 ・オミクロンの流行が始まってから世界中で再感染の報告が増加

                                                         

重症化リスク因子

※これまでと同様です

                        

発熱などの症状がある方の受診・療養の流れ                                 

※これまでと同様です

                                                         
3 症例定義・診断・届出 

届出の対象

※重症化リスクの高い方が届出の対象となります

                                                         

4 重症度分類とマネジメント

※肺炎の有無と、低酸素血症(酸欠)の程度で判定します

                                                         

5 薬物療法

 一般的に大部分の方は対症療法で軽快します

 重症化リスクの高い方に抗ウイルス薬が適応となります

※詳細は過去のブログ 新型コロナ感染症(COVID-19)について ③治療 をご参照ください

                                                         

6 院内感染対策 (省略します)

                                                         

                                                         
7 退院基準・解除基準

陽性者の療養期間

※一般的な外来診療の場合 発症日の翌日から7日間みて 軽快していれば8日目から隔離解除

                                                         ※2023年5月8日にCOVID-19が感染症法上の『5類』へ変更後は、外出自粛が廃止となる見込みです。

                                                         


まとめ

 ・COVID-19はオミクロンに置き換わり症状が軽くなっています

 ・高齢者施設と医療機関の集団感染はまだ多くみられます

 ・リスクの高い方は重症化することがあり、早期に抗ウイルス薬が推奨されます

 ・5類へ変更後は外出自粛が廃止となりますが、感染予防と拡大防止を継続しましょう

                                                         

引用文献

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第9.0版 (2023年2月10日)