新型コロナウイルス感染症 診療の手引き(第9.0版)について
厚生労働省より、医療機関向けに新型コロナウイルス感染症 診療の手引きが発行されています
2020年3月の第1版が発行され、今回で第9版となりました。
主な内容や改訂点を抜粋します
1 病原体・疫学
病原体
・2022 年12 月の時点で世界で検出されるウイルスのほぼすべてがオミクロン
・オミクロンの中ではBA.5 系統が主流
・BQ.1 系統,XBB 系統、BM.1.1.1 系統などの亜系統が複数報告
国内発生状況
・2023 年2 月の時点で新規感染者数は全国的に減少傾向
・高齢者の減少は小さく、高齢者施設と医療機関の集団感染も多い
海外発生状況
・世界的な検査数の減少のため,感染者数は過小評価
感染者数 多くの地域で減少または不変、東地中海地域は増加
死亡者数 西太平洋, アメリカ, 東地中海地域で増加
2 臨床像
・オミクロンでは鼻汁・鼻閉,咽頭痛などの感冒様症状の頻度が増加、嗅覚・味覚障害の頻度が減少
・オミクロンの流行が始まってから世界中で再感染の報告が増加
重症化リスク因子
発熱などの症状がある方の受診・療養の流れ
3 症例定義・診断・届出
届出の対象
4 重症度分類とマネジメント
5 薬物療法
一般的に大部分の方は対症療法で軽快します
重症化リスクの高い方に抗ウイルス薬が適応となります
※詳細は過去のブログ 新型コロナ感染症(COVID-19)について ③治療 をご参照ください
6 院内感染対策 (省略します)
7 退院基準・解除基準
陽性者の療養期間
※一般的な外来診療の場合 発症日の翌日から7日間みて 軽快していれば8日目から隔離解除
※2023年5月8日にCOVID-19が感染症法上の『5類』へ変更後は、外出自粛が廃止となる見込みです。
まとめ
・COVID-19はオミクロンに置き換わり症状が軽くなっています
・高齢者施設と医療機関の集団感染はまだ多くみられます
・リスクの高い方は重症化することがあり、早期に抗ウイルス薬が推奨されます
・5類へ変更後は外出自粛が廃止となりますが、感染予防と拡大防止を継続しましょう
引用文献
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第9.0版 (2023年2月10日)